住宅診断の実績が豊富な既存住宅状況調査技術者の探し方

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住宅診断の実績が豊富な既存住宅状況調査技術者の探し方

2018/03/03 blog 記事の目次

宅地建物取引業法の改正によって平成30年(2018年)4月から、中古住宅(既存住宅)を購入しようとする際、仲介業者(宅地建物取引業者)(※1)と媒介契約(※2)を結ぶときに、

仲介業者から、

  • 購入予定の物件(建物)は、既存住宅状況調査技術者によるインスペクション(建物状況調査)がすでにされているかどうか
  • されていない場合、インスペクションしたいかどうか
  • インスペクションしたい場合、業者のほうで既存住宅状況調査技術者を紹介してくれるかどうか

について説明があります。(※3)

もしインスペクション(建物状況調査)がされていない場合で、購入者が契約前にインスペクション(建物状況調査)をしておきたいとき、選択肢は2つあります。

  • 【選択肢1】仲介業者(宅建業者)から既存住宅状況調査技術者を紹介(あっせん)してもらう
  • 【選択肢2】購入者が自分で既存住宅状況調査技術者を探す

今回は【選択肢2】の「購入者が自分で既存住宅状況調査技術者を探す」方法、さらに「住宅診断実績が豊富な既存住宅状況調査技術者を探す方法」についてお話します。

(※3)2018年4月からの宅地建物取引業法の改正/インスペクション(建物状況調査)
中古住宅の売買を検討されているお客様へ - 公益社団法人日本建築士会連合会
↑平成30年(2018年)4月からの中古住宅(既存住宅)売買時の流れがわかりやすいです。
改正宅地建物取引業法に関するQ&A(PDF) - 国土交通省
建物状況調査制度概要リーフレット 購入検討者用(PDF) - 国土交通省

インスペクション(建物状況調査)の基本は買い手側が実施すること

中古住宅の売買において、インスペクション(建物状況調査)をするなら、購入者側で実施するのが基本です。

たとえ、売主側でインスペクション実施済みで不要だと言われても、可能なら購入者側もインスペクション(建物状況調査)されることをおすすめします。

「二度もインスペクション(建物状況調査)をする必要があるのか?」という疑問があるかもしれません。

物件を購入する前に、建物の不具合などのリスクをより小さくしたいならば、売主側でインスペクションされていようがいまいが、やはり購入者側としてインスペクション(建物状況調査)されたほうが良いと思います。

ピアチェック(※)(二重チェック)だと考えればよいのです。

インスペクション(建物状況調査)は、有資格者なら誰がやっても必ず同じ結論になるとは限りません。

既存住宅状況調査技術者の住宅診断でも目視が中心です。どうしても見落としなどの可能性が残ります。

売主側でインスペクション実施済みだとしても、それとは別に購入者側でインスペクションされるのをおすすめします。

結果的に二重チェックになるならば、ピアチェックだと認識すればよいのです。

医者にかかる際、異なる医療機関の別の医師に意見を求める、セカンドオピニオンと同じです。

※ピアチェックとは同等または同等以上の能力・資格を有した担当者によって二重にチェックをすること。実は、一定の条件に該当する建築物の構造計算ではピアチェックは義務化されています。建築士さんならおなじみのルールです。

ひとこと

ピアチェックという言葉は日本の建築業界独特の言い方のようです。

おそらく、ピアレビュー(Peer Review)というのがより一般的な用語で、私の現在の本業に関係するIT業界をはじめ、学術界や科学界などの技術者や研究者にはこちらのほうが一般的なことばです。

住宅のイメージ

既存住宅状況調査技術者の探し方

既存住宅状況調査技術者は、既存住宅状況調査技術者講習を実施している下記の機関のWEBサイトから検索できます。

既存住宅状況調査技術者講習の実施機関のWEBサイト
一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会
公益社団法人日本建築士会連合会
一般社団法人全日本ハウスインスペクター協会
一般社団法人日本木造住宅産業協会
一般社団法人日本建築士事務所協会連合

いかがでしょうか。これらの技術者講習の実施機関のWEBサイトから既存住宅状況調査技術者を選べるしょうか?

個人的には、なかなか選びきれないように思います。

それぞれの技術者を判断するための情報がちょっと足りないかなあというのが正直なところです。

「写真がある場合ならせめて笑顔の方がいいなあ」くらいのポイントしか思いつきません。(^^;

既存住宅状況調査技術者講習制度について
住宅:既存住宅状況調査技術者講習制度について - 国土交通省
住宅購入者が検索しているイメージ

住宅診断の実績が豊富な既存住宅状況調査技術者の見つけ方(一例)

繰り返しますが、インスペクション(建物状況調査)は、資格者なら誰がやっても同じ結論になるとは限りません。

例えば、インスペクションの現場では、建物の特長に応じて注意すべきポイントを予測することがあります。

こういう予測やコツは、インスペクションの経験値に左右されます。

たとえば、医者にかかる時でも、経験豊富な実績のある医師にかかりたいと、だれもが考えます。

住宅の診断でも同じです。

せっかく費用や時間をかけて住宅診断するなら、的確で見落としのない住宅診断をしてもらうために、やはり、実績豊富な担当者にお願いしたものです。

そうはいっても、「既存住宅状況調査技術者」の資格は平成29年(2017年)2月にできたばかりです。

「既存住宅状況調査技術者」としての経験値自体は、まだそれほど担当者による違いはないかもしれません。

では、どうやって住宅診断の実績を見極めればよいのでしょうか。

たとえば、下記の2つの方法をお教えします。

実績豊富な既存住宅状況調査技術者の見つけ方(その1)

point
既存住宅売買瑕疵保険のインスペクションの実績のある建築士さん

「既存住宅状況調査技術者」のインスペクションの結果は、既存住宅売買瑕疵保険を付保できるかどうかの判断材料になります。

既存住宅売買瑕疵保険は、すでに、平成21年(2009年)10月1日に住宅瑕疵担保履行法がスタートしたときからあります。

当時から「既存住宅現況検査技術者」という資格者が、既存住宅売買瑕疵保険付保の可否を確認するためのインスぺクション業務をしてきているのです。

つまり、すでに約9年くらいの実績を持つ瑕疵保険のインスペクションをしてる担当者が存在するのです。

それに関連する実績数は下記のページで確認できます。↓

このページを見ると、瑕疵保険の診断業者として登録されている業者それぞれの診断実績数がわかります。

登録されていても実績がほとんどない業者さんがいらっしゃることもわかります。

ここに記載されている診断実績数が多ければ、その業者さんは既存住宅売買瑕疵保険付保のインスペクションの経験が豊富だとわかります。

つまり、そのような登録業者さんには、インスぺクションの実績豊富な担当者が存在する可能性が高いと思われます。

ただし1つ注意点があります。

この実績数は、登録業者の会社全体の実績数です。

その登録業者に複数のインスぺクターが在籍している可能性もあります。

また建築士資格を保有していない場合もあります。

以前は、たとえば施工管理技士の「既存住宅現況検査技術者」も既存住宅売買瑕疵保険付保のインスペクションをしていたケースもあるようです。

ここであらためて思い起こす必要があるのは、平成30年(2018年)4月からの宅地建物取引業法の改正による「既存住宅状況調査技術者」は建築士資格者だということです。

したがって、すでにインスペクションの実績が豊富な「既存住宅状況調査技術者」を見つけるためには、既存住宅売買かし保険のインスペクション実績数の多い登録業者さんのうち、建築士資格をもつインスぺクターの方がいらっしゃるかどうか。いる場合、その担当者のインスペクション実績は多いのかどうかがポイントになります。

よって、実績豊富な既存住宅状況調査技術者の見つけ方(その1)は、
『既存住宅売買瑕疵保険付保のインスペクション実績数が多い業者さんのスタッフでかつ多くのインスペクション実績数がある建築士さんを見つけること』です。

建築士さんのイメージ

実績豊富な既存住宅状況調査技術者の見つけ方(その2)

point
以前からWEBサイトを用意し積極的にインスぺクションをしている建築士さん

以前からインスぺクション(建物状況調査)を業として実施している建築士事務所や住宅診断業者さんが存在します。

たとえば、民間の住宅診断資格である「JSHI公認ホームインスペクター」は第一回目の試験は2009年11月です。今から約9年前です。

ちょうど平成21年(2009年)10月1日に住宅瑕疵担保履行法がスタートした翌月のタイミングです。

そのような民間資格保有者の中で、積極的に住宅診断をされてきた建築士事務所や住宅診断業者さんの多くは、WEBサイトを持ち、業務内容に住宅診断サービスを明記し活動されています。

これらのWEBサイトには、過去の住宅診断実績がどのくらいあるかなどが掲載されている場合があります。

また、住宅診断の事例やお客様の声などを含め、住宅診断関連の充実したコンテンツがWEBサイトに用意されているはずです。

そのような建築士事務所や住宅診断業者さんには、インスぺクションの実績豊富な担当者が存在する可能性が高いと思われます。

ただし、平成30年(2018年)4月からの宅地建物取引業法の改正による「既存住宅状況調査技術者」は建築士資格者のみです。

これらの建築士事務所や住宅診断業者さんには、建築士資格を保有していないインスぺクターが在籍している可能性もあります。

さらに、複数のインスぺクターが在籍している可能性もあります。

こちらも、建築士資格をもつインスぺクターの方がいらっしゃるかどうか。いる場合、その担当者のインスペクション実績は多いのかどうかが、すでにインスペクションの実績が豊富な「既存住宅状況調査技術者」を見つけるポイントになります。

よって、実績豊富な既存住宅状況調査技術者の見つけ方(その2)は、
『WEBサイトに民間の住宅診断資格と住宅診断サービスを明記したインスペクション実績数も多い事務所や業者のスタッフでかつ、多くのインスペクション実績数がある建築士さんを見つけること』です。

建築士さんのイメージ

以上、住宅診断の実績が豊富な「既存住宅状況調査技術者」の見つけ方として、2つの事例を説明しました。

ひとことで言うと『以前から存在する制度に基づく住宅診断の経験値が豊富な建築士さんをいかに見つけるか』が経験値が豊富な「既存住宅状況調査技術者」を見つけるポイントになります。

そういう意味では、自治体から委託を受け実施する耐震診断やフラット35に関連するインスペクション実績なども、経験値が豊富な「既存住宅状況調査技術者」のひとつの指標になると思います。

理想的な「既存住宅状況調査技術者」を見つけるのはなかなか大変だと思います。

「住宅診断ナビ」サイトの業者検索も活用しながら、理想的な「既存住宅状況調査技術者」さんを見つけられることを願っています。

住宅診断業者を検索

国土交通省が2013年(平成25年)6月17日に中古住宅の住宅診断について一定の基準を示したのが「既存住宅インスペクション・ガイドライン」です。

「既存住宅インスペクション・ガイドライン」が提示される以前には、すでにいくつかの民間事業者なども独自の住宅診断基準にもとづき、中古住宅だけでなくリフォームするためなどのインスペクションを実施していました。

しかし各事業者ごとの検査基準や技術力にバラツキがある状況でした。

そこで国土交通省が、中古住宅の住宅診断における一定の基準を示したのが「既存住宅インスペクション・ガイドライン」です。

現在の民間事業者の住宅診断資格は、ほとんど「既存住宅インスペクション・ガイドライン」に準拠していると思いますが、この「既存住宅インスペクション・ガイドライン」が示される2013年以前から、またそれ以降も、住宅診断の実績を積んでこられた建築士さんは一定数いらっしゃいます。

住宅診断の実績豊富な既存住宅状況調査技術者は、それらの一定数の建築士さんをどう見つけるかということになります。

その際の一つの手段として、当「住宅診断ナビ」サイトの業者検索をぜひご活用ください(^^)

既存住宅インスペクション・ガイドラインについて(PDF)
既存住宅インスペクション・ガイドライン
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